<授業内容>
「速読法」という名称が付けられているが、分厚い本を数分から1、2時間で読破するというような特殊な速読の技術を修得しようという内容ではない。
中学、高校や大学受験のための勉強の頃には、数冊の教科書や参考書を時間をかけて何度も繰り返し読み、理解、記憶すればよかった。それが大学生になれば、まず自分で読むべき資料や書物を見つけ出し、限られた時間内に何冊もの分厚い本や資料を調べたり、読んで理解したりする必要に迫られる。アメリカの大学生には、毎週600頁から800頁もの図書を読みこなすことが課せられていると聞けば、なおさらのことである。
本授業を通じて、「目的意識」や「問題意識」をもって読書に「集中」するコツを体得し、本を読むことの「楽しみ」と「喜び」を実感してほしいというのが最大の願いである。社会人として欠かせない新聞・雑誌や書物の効果的な読み方、活用の仕方を探っていくほか、メモやはがき、講義ノートのとり方、講演や会議の記録のとり方、さらには一度学んだことを記憶するための工夫についても考えていく。
<授業計画>
1.大学生とビジネスマンの読書−−読書の「苦しみ」を「楽しみ」と「喜び」に変える方法
2.新聞・雑誌の速読−−新聞・雑誌は情報の宝庫
3.書物の熟読と速読−−文献を素早く発見し、効率的に活用する方法
4.書物の内容の把握−−概要をチャート(論理図解)にして理解する方法
5.講演や講義のノートのとり方
6.理解・記憶力を高める方法−−「自己講義」術
7.インターネットと速読
<キーワード>
速読・速解、スピード・リーディング、速読のための10カ条、日本人の平均読書スピード、パラグラフ感覚、トピック・センテンス、情報読書、既知を読む、未知を読む、ビジネスマンの読書、日本経済新聞、蔵書、非読書階級、飛躍する読書、目次、索引(インデックス)、キーワード、集中力、姿勢、再読、マーカー、ポスト・イット、記憶力、自己講義、
<授業方法と学習上の留意点>
本講義の主旨からして、単に速読法の原理原則を頭で理解するのではなく、体で覚えることが不可欠である。毎週、相当量の文章を読むトレーニングが行われるので、遅刻や欠席をしないで、根気よく取り組んでほしい。速読トレーニングに用いられる教材も厳選されているので、学期の終わりには、単に読書が速くなっているだけでなく、知識や思考の面でも大きく成長した自分を発見できるに違いない。
<評価方法>
評価は、毎週実施する速読トレーニングの成績、課題図書(1冊)に対する取り組み、授業への積極度などから総合的に行う。「入門」という授業の性格上、単なる読書のスピードよりも、4ヵ月間の各人の成長の度合いを高く評価したい。
<テキスト>
日本経済新聞<5月17日に当日の朝刊を持参>
橘 遵『ひと晩5冊の速読術』河出書房新社<5月24日教材>
−4月26日より毎回持参のこと。
『大学で何を学ぶか』(2011年度版)神奈川大学広報委員会、2010年
<6月14日持参>
<参考書>
西村克己『PowerPointの図解が3分間で書ける本』インプレス、2000年
梅棹忠夫『知的生産の技術』(新書版)岩波書店
渡部昇一『知的生活の方法』(講談社現代新書)講談社
<講義>
講義スライドの公開は終了しました。
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