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企業市民論  2年次前期  2単位


<授業内容>
 企業は、よい商品やサービスを提供し、雇用機会を創出し、利益を上げて株主に配当という形で利益を還元したり、政府に税金を納めたりするばかりでなく、「よき市民」として社会に貢献すべきであるとする考え方が広まってきた。
本講義では、まず「企業の社会的責任」論の歴史をたどってみたい。その上で、70年代から80年代にかけて、アメリカで「企業市民」的な考え方が広まってきた社会的背景、関係者の論議などを検討する。さらに、そうした考え方が80年代末から日本でも急速に広まるようになった背景や、アメリカとの相違、その原因などを検証する。
企業市民としての行動は、「企業フィランソロピー」、つまり企業による寄付や、従業員によるボランティア活動といった形で現れることが多いが、世界各国におけるそうした活動の実例を詳しく検討する。さらに、21世紀の世界が直面する、人口爆発や資源の枯渇、環境破壊、気象変動、貧困、難民問題、民族紛争、あるいは高齢化といった、さまざまな困難な問題に対し、どういう取り組み方が必要なのかを考え、その中での企業の役割を検討する。
 なお企業と社会との関係を考察することから、内外の政治・経済・社会・文化等々に対する幅広い知識が不可欠である。本授業では毎週「時事用語」に関する宿題を課すが、新聞やテレビの報道にも関心を寄せ、基本的な知識を身につけてほしいという願いが込められている。各自が関心を持った新聞、雑誌記事を毎週3点選び、提出することも課題とされている。

<授業計画>
 1.「パブリック・リレーションズ」の歴史と今日的意義
 2.企業の「社会的責任論」と「企業市民論」の系譜
 3.アメリカ社会の「三重苦」と政府の役割
 4.「インディペンデント・セクター」と「フィランソロピー」
 5.企業フィランソロピーの歴史
 6.企業寄付の実態と問題点
 7.企業によるボランティア活動の推進
 8.エイズ感染者を含む障害者に関する企業のあり方
 9.公害、環境問題と企業
10.芸術文化の振興と企業メセナ
11.日本及びヨーロッパ、アジア諸国における企業市民活動
12.インターネットを利用した関連情報の収集

<キーワード>
企業の社会的責任、企業市民、フィランソロピー、メセナ、ボランティア、寄付、寄付金控除、企業の社会貢献、NPO、インディペンデント・セクター、第三セクター、財団、アメリカ社会の三重苦、K to 12、ジュニア・アチーブメント、アダプト・ア・スクール、ユナイテッド・ウェイ、5%クラブ、マッチング・ギフト、現物寄付、ギフト・インカインド、ADA、セカンド・ハーベスト、パートナーシップ

<授業方法と学習上の留意点>
 本講義では、企業の社会的責任やビジネスマンの倫理が重要なテーマとなる。その意味からも学生諸君には特に真摯な態度で授業に参加することを期待する。

<評価方法>
成績評価は、期末試験の成績と、平常のクイズ、課題(毎週の宿題や課題図書の感想文など)への取り組み、授業への熱意、出席状況などを総合して行う。

<テキスト>
松岡紀雄『企業市民の時代』日本経済新聞社、1992年

<参考書>
ピーター・F・ドラッカー著、上田惇生他訳『非営利組織の経営』ダイヤモンド社、1991年

<講義資料>
講義スライドの公開を終了しました。



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